退職代行サービスの利用が増えていますが、代理人となれない一般退職代行でさえ、その費用は数万円と決して安くありません。
「辞めたいけれど、引き止められたり無視されたりするのが不安」
「でも退職代行にお金を払うのはもったいない」
そんな声を多く耳にします。
しかし、法律とAIを正しく使えば、誰でも“会社が拒絶できない退職届”を自分で作成し、確実に退職手続きを進めることができます。
このブログでは、行政書士としての立場から、退職の法的仕組みと、AIを活用した退職届作成のポイントをわかりやすく解説します。
(なお、AIは情報収集に強いGeminiと、文書校正に強いCopilotを併用しました。一台が書いた文章を、もう一台で検証することで文章の正確性向上を目指した使い方です)
退職に会社の許可は不要
まず押さえておきたいのは、退職は会社の許可が必要な手続きではないという点です。
民法第627条第1項
正社員(期間の定めのない労働契約)の場合、退職の意思を伝えてから2週間が経過すれば、会社の同意がなくても退職が成立します。
つまり、会社が引き止めようが、無視しようが、法律上は退職が成立します。
手渡しができなくても「内容証明郵便」で送れば十分
退職届を直接渡せない場合は、内容証明郵便(配達証明を付けて)で送付すれば問題ありません。
- いつ到着で
- 誰が
- 誰に
- どんな内容の書面を送ったか
これらが郵便局で証明されるため、会社は「受け取っていない」と主張できなくなります。
会社が退職を拒めなくなる“決定打”
労働基準法第22条「退職証明書の請求」
退職と同時に労働者が行使できる強力な権利があります。
それが 退職証明書の請求(労基法22条) です。
労働基準法第22条第1項
労働者が退職時に、
- 使用期間
- 業務の種類
- 地位
- 賃金
- 退職の事由
について証明書を請求した場合、会社は遅滞なく交付しなければならない。と法律で義務付けされています。
さらに、正当な理由なく会社が交付を拒んだ場合、30万円以下の罰金(労基法120条) という刑事罰の対象になります。
なぜ強力なのか?
退職届に「労基法22条に基づき退職証明書の交付を請求します」と明記するだけで、会社側は退職証明書を発行しなければならなくなり、結果として退職を認めることになるからです。
AIで“法的に隙のない退職届”を作る方法
Gemini や Copilot などのAIに、以下の指示書(プロンプト)を入力するだけで、行政書士が見て問題ないレベルの退職届を自動生成できます。
AIにそのまま使えるプロンプト
(あなたの情報に書き換えて使用してください)
あなたは人事労務に詳しい専門家です。
以下の【条件】をもとに、会社に対して法的な効力を持つ、丁寧かつ会社側が拒絶できない「退職届」の本文を作成してください。
【条件】
・私の名前:【あなたの氏名】
・会社名:【株式会社〇〇】
・最高責任者の役職・氏名:【代表取締役 〇〇 〇〇 殿】
・所属部署:【〇〇部〇〇課】
・退職希望日:【2026年〇月〇日】(※提出日から2週間以上先の日付)
・退職の理由:一身上の都合
【必須要件】
退職に伴い、労働基準法第22条第1項に基づき「退職証明書」の交付を遅滞なく行うよう、会社側に求める一文を必ず本文中に含めてください。
【出力の要望】
一般的な横書きのビジネス文書フォーマットで出力してください。
AIが生成する文面のイメージ
退職届
令和8年〇月〇日
株式会社〇〇
代表取締役 〇〇 〇〇 殿
〇〇部〇〇課
〇〇 〇〇 印
私事、このたび一身上の都合により、令和8年〇月〇日をもって退職いたします。
つきましては、労働基準法第22条第1項に基づき、退職日以降、遅滞なく退職証明書を交付いただきますよう請求いたします。
(証明事項:退職の事由、使用期間)
また、離職票・源泉徴収票等の必要書類につきましても、併せてご送付くださいますようお願い申し上げます。
以上
まとめ:AIと法律を味方にすれば、退職はもっと安全で確実になる
退職代行に高額な費用を支払わなくても、
- 法律の正しい理解
- AIによる精度の高い文書作成
- 労基法22条の権利行使
これらを組み合わせることで、誰でも自分の力で安全に退職手続きを進めることができます。
会社がどれほど強硬であっても、法律を無視することはできません。
あなたの新しい一歩を心から応援しています。
